しかし、銀行窓販全面解禁の効果は、やはり大きいのではないかと思います。というのは、銀行には保険への入り口となる場面が相当に多いからです。若い人が初めて保険に入る場合、一般的には就職をして周りから保険のことを聞いたりして意識をして、そんなときに生保の営業の方に勧められて入るというパターンが多いと思います。でも就職をして初めて接触を持つ金融機関は保険会社ではなく、銀行であることが圧倒的に多いはずです。まずは給与振込みの口座を作る必要があります。そのときに窓口で保険のことを聞けば、生保の営業よりも銀行で生保に加入するという方へ意識が傾いていく可能性はあるでしょう。
さらに十数年くらい経つと、銀行で住宅ローンを組むことになるかもしれません。このときは保険の見直し時期でもあります。住宅ローンを組む前までは、死亡保障に必要な金額を計算する場合、遺族の生活費に家賃を入れて計算する必要がありますが、住宅ローンを組むと通常は団体信用生命保険に入りますから、死亡保障に住居費を入れる必要がなくなります。一般的には住宅ローンを組むことによって、必要な死亡保障額が多少下がって保険料を安くできる可能性が生じます。もちろん、そうなるかどうかは人それぞれではありますが、住宅ローンの窓口でそうしたことをトータルに相談できれば便利です。
今年は住宅ローンアドバイザー試験に少々携わりましたが、ハウスメーカーの営業の方々の住宅ローン知識のレベルはかなり高くなってきているようです。それだけ銀行の担当者は顧客への説明がスムースになるはずですから、その分をすでに始まっている住宅の火災保険と利用者の死亡保障の見直し、さらには三大疾病保障付住宅ローンなどもありますから、医療保障の見直しの相談に時間を当てることも可能なのではないでしょうか。
オリックスがヨドバシカメラと提携をして、オリックスの住宅ローン利用者にヨドバシで使えるポイントを最大10万円プレゼントをするというサービスを始めたということです。おもしろい提携だと思いますが、生命保険の見直し相談サービス付の住宅ローンというのも、今ならまだ差別化に使えそうです。ただ、こうしたことが銀行の差別化に使えないようになるくらいどこの銀行でも当たり前になるほど、銀行の利便性は高まって欲しいと思います。また、そうなるだろうと期待しています。
また遊びにきます。
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